資金調達(ファイナンス)の発想は自由であるべきだと『ダービースタリオン』が教えてくれた
競走馬育成シミュレーションゲームと銘打った『ダービースタリオン』(通称、ダビスタ)は、スーパーファミコン時代から競馬ゲームの代名詞みたいに存在しています。
簡単に言えば、牧場主になって競走馬を生産・育成し、日本ダービーなど競馬のレースで勝利を目指すゲームなのでした。
あなたも今日から牧場主!
ただ、よくよく考えてみれば「競走馬育成」という側面よりむしろ、「競走馬生産事業」の事業主として事業を切り盛りするゲームなのです。
競走馬の現役寿命は高々6年程度ですが、牧場の経営には(明示的に目的を設定しない限り)終わりがない。
一応、生産場の馬主として厩舎を選んだり、調教師に換わって調教を付けたりと「競走馬育成」もできますが、どちらかと言えばメインは継続的な事業経営に置かれています。
ちなみに、デフォルト(初期設定)で与えられるのは、以下の3点。
- 牧場の土地や施設
- 一頭の繁殖牝馬(お母さん馬)
- 現金壱千萬円也
さぁ、これであなたも牧場主!ってなわけです。
フツーの進め方
で、ゲーム初期にできることと言えば繁殖牝馬に種付けをすることくらいしかない。というか、初期設定がそれを誘導しているわけです。
ただ、(例は古いが)サンデーサイレンスとか超優秀な種牡馬(お父さん馬)だと一回の種付け料が2千万円とかしちゃうわけで。
たりねー。
そんなわけで、仔馬が生まれるまで1年、さらにレースに使えるまで2~3年の間、飼料代とか払って、次の年も種付けしたら費用が掛かるのでそれも考慮して、そこそこの種牡馬を選んでやるわけです。
ただ、そうすっとあんまり強い馬はできなくて(競馬は血統がモノを言う世界)、数年間の投資を回収しようとしてもレース(1勝で数百万~)で勝てないんじゃ難しくなってきます。
コツコツと繰り返しやる時間が必要になってくるのでした。
ゲームの価値を「時間をより有意義に過ごすこと」に置くならば、この良し悪しはプレイヤー次第ですが。どんなもんでしょう。
変わったやり方
で、かつてプレイステーション(1!)版の『ダービースタリオン』を上記のフツーのやり方でプレイしていて、まぁ満足していたのですがある時ビックリしましてね。
たぶん、『ファミ通』かなんかの特集で読んだのだったかと思いますが。
「オレね、売っちゃうの。最初の繁殖牝馬はさ」
は?
「でね、最初の資金と馬の代金でさ、馬券買う訳よ」
へ?
「そんだらさ、まぁ一年で数億くらいリターン取れるから、セリで良い繁殖牝馬みつけて、そっからスタートすんの」
…すげぇ!
そう、『ダビスタ』ではゲーム内ゲームとして毎週開催のレースで馬券を買うことができるのです。そこに、投資する訳ですな。資金調達法として。
億単位のお金があれば、いい(能力の高い仔馬が生まれやすい)繁殖牝馬と血統の優れた種牡馬をガンガン選べちゃう。で、サクッとレースに勝てちゃう。
勝ちだすと、お金は回る回る。グレード付きの重賞レースなんかだと賞金設定が数千万~億になってくるので、資金の流れができやすいのでした。
ミスったらリセットしちゃえる気軽さはあるとはいえ、中々にこの発想はできないもので。なんだろね。ゲームに人生を投影しちゃうからだろうか。わからんけど。
逆転の発想
こうした資金調達法はまぁありっちゃありで、研究すれば競馬はリターンをプラスにできる説もあったりするので直接応用するもあり、「資産(今回の場合の繁殖牝馬)」の現金化を検討してみたり。
ファイナンスの自由な発想力の源になる気がします。
飲食店の開店費用に結婚するする詐欺をしてみても良し。
世界を救う革命的アイディアを実現するために、健康食品販売を始めるもよし。
今の仕事が嫌んなって、生活を変えるために宝くじを買うのだって一種の資金調達だし。
2016年1月後半に決定した日銀のマイナス金利が資金調達(反面でいえば、融資)の流れを変えるそうですがどうなることやら。
不動産界隈の盛り上がりをよそに、競走馬育成に励んでみるのも悪くないかもしれません。
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