英国のアナグマ狩り(badger cull)拡大策はウシ型結核を抑えないし政府の信用も、そして居飛車穴熊等をも刈り取るか?
愛嬌溢れるアナグマ、危機に瀕す。
牛の病気(牛型結核、Bovine Tuberculosis、bTB)の蔓延を恐れる英国政府は、その原因と噂されるアナグマの排除策拡大に動き出しました。
もちろんこれまでの方針を変えるわけではなく、さらに推し進めるという“保守的”選択なわけですが、果たして…。
伝統政策
実はアナグマ狩りについては、どうやら近年ずっと行われてきた伝統的な政策判断であるようです。
2009年のブログ記事。
2010年の英語学習(?)ブログ記事
アナグマを駆除すべき対象とする見方はずっと維持されてきたわけですが、その効果の程が検証の度に明らかになっています。
基本的には、大して効果なし。
これが共通了解のようです。政府の担当者も「ウシ型結核拡大に関するアナグマの関与は6%ほどである」と述べていることからも分かる通り、残り94%依然不明のまま。
しかしながら、有効な対策を打ち、農家の信頼を勝ち得る策を持たないため、次善の策としてアナグマ駆除を選び続けている模様。
農家の訴えに対して効果のない偽薬的対策しか提供できていないのだから当然ですが、効果のない対策を、自然の生態系を荒らしつつ、国民の税金を使って実施することに対して批判が巻き起こり、
In short, the casualties resulting from the decision to extend the cull are not just the badgers. The other casualties are cattle, farmers and the truth. It’s a disgrace.
「手短に言えば、駆除の拡大決定がもたらす死傷者はアナグマだけに留まらない。駆逐されるのは、ウシと農家、それに真実そのものも。不名誉なことだ。」
と非難されています。
世界中で危機に瀕する穴熊
将棋で言えば堅い守りとして有名な「穴熊(あなぐま)」。
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日本でも「誰も言わなかった居飛車穴熊撃滅戦法」が出版されるなどアナグマ党にとって穏やかではない状況がありますが、イギリスでは「誰もが口にするアナグマ狩り」の当事者や利害関係者、やじ馬たちが参戦して未曽有の大論戦に発展するかもしれません。
決着のつかない論戦に、どうぶつ将棋で勝敗を決めるのはいかがでしょうか…?
論戦に負ければ不愉快な出来事が起こるし、勝負事の世界で熱くなってしまのも無理ないわけなので、できればゴキゲンで過ごしたいわけですが…
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ゴキゲン中飛車が「将棋史上最も過激な殴り合い」を盤上に繰り広げるとあっては、論戦の代理戦争として将棋はふさわしくないようで。そもそも英国民の大半は将棋よりチェス派が多そうだ。
科学的根拠に基づく政策を実現するのは、非常に難しいですね…。