土山しげる先生の大食い・グルメ漫画を時系列で並べてみた【Kindle Unlimited対象コミックあり】
土山しげる先生と言えばグルメ漫画、グルメ漫画と言えば『クッキング・パパ』でも『美味しんぼ』でもなく、土山しげる先生の食シリーズだよなぁ?というわけで、その作品群を時系列で眺めてみたい。
最近はオサレなグルメ漫画も目白押しだけれど、土山しげる先生のグルメコミックにはそうした軟派な作品とは一線を画す硬派な作風が特徴。リアリティよりも勢いを大事に。
ハマる人は、きっとハマる。
以下の記載・年代は 土山しげる - Wikipedia に依ってます。
1990年代
喧嘩ラーメン(全17巻)
その後の土山しげる作品の方向性を決定付ける「喧嘩ラーメン」。このテンション。この画風。既に完成しています。
食キング(全27巻)
「キング」シリーズの先駆けとなる本作。仕事請負人、今で言えば飲食コンサルタント業のプロフェッショナルが主人公。後の作品においても、こうしたニッチ世界のプロフェッショナルが大活躍する事例多し。
2000年代前半
包丁無宿勝負旅(全4巻)
土山作品を特徴づける、末広がりの太眉と眉間のしわ。また最近のゆる系グルメ漫画ではあまり見られない「バトル要素」が物語の盛り上げ装置として“いつだって”導入される。『美味しんぼ』みたいなボスとの闘争が延々繰り返されるのではなく、出会いがしらの衝突多し。
喰いしん坊!(全24巻)
グルメ漫画と言えば料理人が主人公で美味しそうな料理を創って…という話が中心となるなか、こちらは食べる方の、しかも“食べ方”にこだわったマンガ作品。なんというか、食についての哲学が描かれていると思うんですよ。
「大食い」のプロたちを描いた『喰いしん坊!』は土山先生の代表作と言っても良いのでは。「フードファイター」を扱ったテレビ番組が好きな人は絶対ハマる。
2000年代後半
居酒屋舌偵(全1巻)
設定企画モノでしょうなぁ。「グルメ×探偵」という設定でやってみたと。そしたら続かなかったと。実験的作品です。よくある話です。
極道めし(全10巻)
土山しげる先生の得意分野を2つ掛け合わせ、出来上がったのが『極道めし』。設定がハマった好例。土山作品においては、食設定…じゃなくって初期設定が成否を決めると言っても過言ではない。
この後も実験的設定の作品群が多数あるけれど、多くは失敗し、いくつかが大成功している。
『極道めし』、Amazonのレビュー評価が極めて高い。
ばくめし (全6巻)
B級グルメ復活請負人、という極めてニッチな分野で活躍する主人公。奔放磊落ながら、料理の腕は繊細、発想力・創造力は天下一品と言う、有能型主人公を扱う傑作。
設定がハマるとストーリーが活きる好例。
2010年代前半
『喰いしん坊!』に続く大食い作品。作中でも登場人物がリンクするため『喰いしん坊!』を先に読んでおくことを推奨。
バトるのだよ、基本的には。そして弱小チームが強力な助っ人を得て頂点を目指すというわかりやすいストーリー展開。
胃食・道源(全1巻)
設定企画モノ…のうまくハマらなかった例か。医食同源とかかった『胃食・道源』がすでにスベっているという話も。
闘飯(全1巻)
お得意、グルメバトルマンガ。2巻が無いとのこと。廉価版コミックス(下記)で1巻とその続きが読める。
闘飯 ~うまかばいっ!博多の強敵・新井主任登場!!~ (アクションコミックス(COINSアクションオリジナル))
- 作者: 土山しげる
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2013/12/06
- メディア: コミック
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喰王スペシャル(全1巻)
ご当地グルメもの。テーマが次から次へと、よく出てくるものです。
男麺(全1巻)
麺。ただただ麺。ひたすらに麺。
怒りのグルメ(全1巻)
『噴飯男(ふんぱんまん)』というタイトルの月刊誌連載。単行本は『怒りのグルメ』に改題のうえ発売されたが、最終話など5話が未収録となっているとのこと。
グルメ通あるあるネタを的確に掬い取った良作。
勤番グルメ ブシメシ!(連載中)
幕末食べ物事情もの。話のネタ、話のタネは思わぬところに転がっているものです。いつの時代だって、どこにいたって人間は何かを食べて生きているわけで。そこに「食文化」が存在する限り、それをマンガ作品として結晶化させることには大いに意義があるのでした。
開国後数百年、近所のスーパーに中国産のニンニクの芽やらメキシコ産のアボカドやらオーストラリア産の牛肉やら、バラエティ豊かな食材が並ぶ昨今ではありますが、純国産だった江戸の食事情にも大いにそそるものが。
野武士のグルメ(連載中)
『孤独のグルメ』がマンモス話題となった久住昌之氏が原作を担当する『野武士のグルメ』。
野武士の如く食に精を傾ける、定年退職後のおっさん物語。「これ、ぜんぜん野武士じゃねぇやな」の評も。
荒野のグルメ(連載中)
『野武士のグルメ』と同じく、久住昌之氏が原作を担当する『荒野のグルメ』。土山先生としては新境地か。
少々懐に余裕のあるサラリーマンが、小粋な食事と酒を粋な居酒屋で嗜む物語。 いわゆる「こんなのいいな」と憧れちゃう物語。アルコール度数は高め。
多様な作品群
斯様に多様な土山しげる作品群。いかがでしょうか。気になる作品はありましたでしょうか。
紹介した作品はほとんどAmazonのKindleで、もちろん紙媒体でも読むことができます。AmazonのKindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド、定額制の読み放題サービス)だと比較的安価に一気読みも出来ますね。映像化作品があったりするので、そちらから入るもよし。よしなに。