アイデアの甕

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アフィリエイトに参入する法人サイトは、圧倒的資本力で個人・少数組織を凌駕するか?小学館の挑戦に期待

 

世界一やさしい アフィリエイトの教科書 1年生

 

アフィリエイト業界はその利益率の高さと参入障壁の低さから、ぞくぞくと新規参入が増えています。もちろん個人で作ったサイトがコツコツとSEO施策を重ね、Google検索順位で上位を獲得し、紹介料が日増しにマシマシ…というストーリーもそこかしこで見かけますが、やはりこれ資本力にモノを言わせる法人の参加がググッと伸びてきている感のある昨今。

 

cards.hateblo.jp

 

個人で活動していたアフィリエイターさんが法人成りして従業員を抱え、マンションの一室を借り上げて作業拠点とし新規サイトを一挙に立ち上げ…というトレンドも一方にはありますが、 他方でこれまでは自社オウンドのWEBメディアで(受動的に)PPC広告収入やバナー広告収入を得ていた大手企業が、積極的にアフィリエイトに参加しているようで。

 

 小学館の参入

最近気づいて驚いたのは、あの大手出版社、小学館が『NEWSポストセブン』のサテライトサイトとしてアフィリエイトを始めていたことです。

 

prtimes.jp

 

ちなみに当リンク先で紹介されている4サイトは2016年7月28日オープンで、「ダイエット」「介護」「育毛」「ウォーターサーバー」がテーマだそうで。大手アフィリエイト系ASPで売り上げのトップとなる「金融」部門は既に『マネーポストセブン』として雑誌紹介に加えアフィも設置された総合サイトとして立ち上げられていました。

 

www.moneypost.jp

 

『マネーポスト』って、雑誌が実際にあるので

 

マネーポスト 2016年秋号 2016年 10/1 号 [雑誌]: 週刊ポスト 増刊

 

まぁサイトと連動で…というのも分からなくはないのですが、例えば「ウォーターサーバー」などはもう、アフィリエイトのためのアフィリエイトと言うか、完全に紹介料収入を狙ったランキングサイトになっています。

 

lab.waterserver.news-postseven.com

 

もちろん、「あぁ、これはカネ掛かってますわ」という出来(いい意味で)。

 

「育毛」サイトなんかも、面白いコンテンツが用意されていまして。

 

lab.ikumou.news-postseven.com

 

医師にハゲを語らせるのは良いとして、女性モデルに発毛の聖地を訪れさせるとかもう、個人~法人成り組織には出来ない企画力でグイグイと押してきています。アフィリエイトの原動力は広告収入を上乗せさせた商品代金をこぞって支払う消費者のお財布なので、そう考えてみると

 

禿げる中年、モデル優姫(ゆうひ)ちゃん(17)を走らす

 

と中国故事に出てきそうな逸話を語りたくなる始末。

 

lab.ikumou.news-postseven.com

 

これは凄いですね。小学館は株式会社ながら非上場なのであまり詳しい財務状況を窺い知ることができないのが残念ですが、月数百万円のアフィリエイト収入のために始めたとは思えない…と思って調べてみたらば。

 

売上高は956億0200万円(前年比6.7%減)で11年連続の減収。「出版売上」は631億0300万円(同13.1%減)。「雑誌」「コミックス」「書籍」「パッケージソフト」の全4分野で前年実績を下回った。前期に大ヒットした「妖怪ウォッチ」関連の反動が大きかった。「広告収入」は118億3700万円(同7.2%減)、「デジタル収入」は117億3100万円(同54.4%増)、「版権収入等」は89億3000万円(同6.2%減)。利益面では、経常損失8億9400万円、当期損失30億5200万円。

(引用:【新文化】 - 小学館決算、当期損失30億円強に

 

これが直近の第78期(H27.3.1~同28.2.29)決算だそうですよ。

 

11年連続で減収を続ける売上高に貢献し、30億円の損失を補填する、十億~百億の売上高を見込まなければ、これほど急速にサイトを立ち上げるはずがない…。

 

となれば個人アフィリエイターや法人成り企業が享受する現在の(ありえないほどの)高収益体質はこうした業界のガリバー(候補)によって駆逐されるのかも?売り上げが挙がっているメインサイトの同枠に大手企業が本気で参入してきたら、半年後にはパイは奪われアクセス激減、挽回しようにも太刀打ちできないほどの企画力と更新スピードに為す術もなく…という未来が待っているのやもしれません。

 

しっかし、小学館の収支から見る出版業界のヤバさと、アフィリエイトに頼るこの構造は中々…。

 

他の出版社も絶賛アフィってます

当記事でリンクさせていただいた国内屈指のクレカ情報サイト「クレジットカードの読みもの」id:cardmicsさんからコメントを頂きました。

 

アフィリエイトに参入する法人サイトは、圧倒的資本力で個人・少数組織を凌駕するか?小学館の挑戦に期待 - アイデアの甕

まったく知りませんでした。うちでもネタにさせてもらうかもです! / ちなみにダイヤモンドZaiとか、DIMEとかはもう完全にアフィリエイトサイトです。

2016/09/20 16:53

 

確かに『Zai』(ダイヤモンド社)はクレカや証券口座、FXなどの金融系、『DIME』(小学館)もクレジットカードや格安スマホなどのアフィリエイトリンクがそこかしこに貼られてますね。

 

恐らくこうしたサイトの収益性が、出版社の本丸たる雑誌出版とその連動型アフィサイトを一歩踏み越え、アフィリエイトのためのアフィリエイトサイト運営を始める決定要因となったのでしょう。どう考えても会社名やブランド名を冠したサイトは強いでしょうよ…。

 

どーぅなっちゃうの?アフィリエイト業界!

 

新興勢力に対してGoogle先生の評価が定まる半年~数年後には、業界地図(=グーグル検索結果)が塗り替えられているのやも。アフィ系出版社の皆々様におかれましては是非とも個別セグメント利益「アフィリエイト」項の創設・公表をしていただきたく存じます。

 

追記

コメントに頂いた通り、小学館のアフィサイトをネタとして採り上げていただいてますのでご紹介。

 

cards.hateblo.jp

 

追々記

「紙媒体?ナニソレウマイノ?」なDeNAはキュレーションサイトでぐんぐんと存在感を増しているようです。

 

www.zaregoto-gakuen.com

 

運営サービスMAU総計:1億5,000~1億6,000万人 ※16年9月
売上収益:15億円(16年度2Q)

 

こ、これは…凄いなぁ。通期換算で60億円も目指せるというのは、上に書いた小学館の損失を補って余りある額になってます。

 

DeNA発のウェブキュレーションメディアが、逆に紙媒体へ進出するという動きもあるのらしく、これはもう世界が変わる…いやむしろもう変わっちゃってる?な状況かもしれませんね。

 

「Welq」などDeNAが運営する長文系メディアがGoogle検索結果を席巻するという状況が既にあるので、毀誉褒貶あれど今後どうなるやら。