そのキャンパスノートは「はがしやすいシールを採用しています」か?
大定番、KOKUYOのCampusノート。紙ごとの書き味やインクの滲み感なんか全く気にせず選べてしまう安心のブランド製品群には定評があります。
未だに進化を続けるノート業界の雄。
信頼が違う。実績が違う。安心感が違う。
選ばない、理由がない。
価格をみたらば迷っちゃうけれど、高々数十円をケチって低品質なノートと時間を共にしストレスを抱えるリスクを鑑みれば、やっぱり選ばない理由がないのです。
いや、ここは「でした」というべきか。
差別化を図るデザイン
商品の詳細を説明し「差別化」を図りたい場合、その見た目によって強調する手法がまずは頭に浮かびます。
上のノート商品写真で言えば、
- 左下にある「B5|プリントが貼れるサイズ」の丸囲み部
- ペロリめくれたB5プリント用紙
の表紙デザインがそれに当たるでしょう。
ただ案外そういう凝ったデザインには気付きにくいもので、言われてみれば「あぁそうか!」と膝を打つ素敵な発想も、気付かれなければ何の意味もない。
とはいえ、商品の性能や用途を周知するために有能なセールスマンを全国の文具店に配置する訳にもいかないわけで。
また「わからない」事柄について消費者が積極的にググって調べたりしてくれることを期待する訳にもいかないので、低コストな施策でより直接的な訴えかけが必要だったりします。
しかも、凝ったデザインはなるべく邪魔せずに。
シールを貼ろう
日用品をリピートして使ってもらうためには「うるさくないデザイン」が求められているはずで、使い方が分かってしまった人にとってはその使い方の説明すらうるさく感じられてしまうモノ。
一回見て「もうイラネ」ってなった時にはなかったことにしてしまえる、そんなソリューションが「シール」だったりします。
そうそう、これこれ。「プリントがそのまま貼れる」という商品の特色を文字とビジュアルであからさまに訴えかけるこのシール。
ただ、やっぱりずっと貼っておくとうるさいわけなので、使い方が分かったらはがしたい。
古本屋の値段シールなんかでのり跡が残ったりする経験があれば、「はがしやすいシールを採用しています」なんて記載は安心感が段違い。
ありがたやありがたや。
ほな、いっちょスパッと、剥がれてもらいましょかい!?
…は?(表紙の紙まで逝ってもうてますやん…)
優良誤認?
「はがしやすいシールを採用しています」とはなんだったのか。
「表紙まではがしやすいシールを採用しています」
んなアホな。
いや、前提条件の記載漏れかもしれない。
「(室温20℃以上、湿度60%以上の場合に)はがしやすいシールを採用しています」
「(貼られてから144時間以内だと)はがしやすいシールを採用しています」
「(運気が向上中の方だけ)はがしやすいシールを採用しています」
「はがしやすいシールを採用しています(当社比)」
もうわかんね。
冴えた発想力
とは言えノートの性能自体には何ら影響がなくって、ノートを開こうとするたびにシール剥がしに失敗したあの日のことが蘇ってくる。
ただそれだけのことだったりします(客が離れる理由としては十分かもしれない)。
発想自体はとってもいいし、B5プリントがしっかり貼れるサイズは貴重なので有難く使わせていただきます。
コクヨさん。もしよかったら、もっとはがしやすいシールを採用してください。