「承認」も「認定」も受け、特定分野重点技術移転事業者(スーパーTLO事業者)になっちゃう関西TLO株式会社
Technology Licensing Organization(TLO、技術移転機関)を調べていまして。
「承認」とか「認定」とか法律的括りを示す用語が出てきてややこしい。
承認と認定
「承認TLO」は、文部科学省と経済産業省のどちらにも認められた機関ですよと。
「認定TLO」は、ややこしいので『Weblio辞書』より引用。
「認定TLO」とは、国立大学など、国の研究機関の持つ国有特許を事業として取り扱うことのできるTLOを指す。
「認定TLO」は申請者の属する省庁によりその事業に対する認定を受けることによって、その事業を行うことができる。
文部科学省&経済産業省という2省から認められているのではなく、(大概は)ひとつの省庁から認められたのが「認定TLO」というわけで。
関西TLOの不思議
で、TLOの一つに関西TLO(株)がありまして。ウェブサイトから沿革を覗いて見たらば。
- 1998年12月 「大学等技術移転促進法」に基づく「承認」を受ける
- 2004年7月 「大学等技術移転促進法」に基づく「認定」を受ける
って、「承認」と「認定」を同一機関が受けているそうな。
先の『Weblio辞典』によりますれば
認定機関の例として、関西TLO(文部科学大臣認定TLO)、(財)日本産業技術振興協会 産総研イノベーションズ(経済産業省認定TLO)、ヒューマンサイエンス技術移転センター(厚生労働省認定TLO)、AFFTIS アイピー(農林水産大臣認定TLO)などが挙げられる。
ということは、関西TLO(株)は文部科学省と経済産業省から「承認」され、文部科学大臣から「認定」されたと。そういう経緯があるそうです。
この点についてもうちょっと掘ってみたいけれど、当記事ではここまでにしておこう。
スーパーTLO?
で、関西TLO(株)の沿革を見ていたら何やら楽しげな響きの言葉が。
な、なんやねんな「スーパーTLO事業者」て?
上記記事によれば、
2004年6月、経済産業省は既存のTLOの強化などを目的に「特定分野重点技術移転事業者」(通称、スーパーTLO)として東京大学TLOや関西TLOなど7つのTLOを選びました。文部科学省でも昨年7月に東京大学や京都大学など6大学を「スーパー産学官連携本部」としました。両方とも成功事例を増やして日本の科学力の底上げにつなげるのが狙いでしょう。
とのこと。経済産業省も文部科学省も中の人はドラゴンボールのファンやねんな…。
京都大学の研究成果は今回採り上げている関西TLO(株)が取り仕切っているので、「スーパー産学官連携本部」たる京都大学の知的財産を、「承認TLO兼認定TLO兼スーパーTLO」たる関西TLO(株)が事業化へ結びつけるとそういうわけで。
ややこしかー。
で、何が出てきたかと言いますとですよ。
とかとか。悪い物じゃないけれど、これで実施する民間事業者とTLOがともに利益を分かち合い、発案者である研究者にも利益を還元して更なるイノベーションにつなげましょう!とはね、なりませんね。南無。
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