デビットカードとクレジットカードは参照先の違いで機能が異なる
会計学の教科書を読んでおりまして。
これまで簿記なんかの教科書読んで「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」をややこしいけど丸覚えしちゃいましょー(●^o^●)みたいな優しさあふれる解説に触れてきたわけですが。
か「り」は左に向かって書き終えるから、借方!、か「し」は右に向かって書き終えるから、貸方!とか。
まぁ、覚えるだけなら問題ないのですけれども。
で、会計学の教科書にはその辺の事情にもちょこっと触れられていて。ははー、銀行簿記として考えればいいのかと。やっとこさ得心がいった塩梅であります。
上記記事なんかにも、(ややこしいですが)書いてありますね。ややこしい。
デビットカード推し
で、最近はデビットカードなるカードが出てきて、マイナンバーカードに搭載されるとかスーパーのレジに一斉導入とか話題を振りまいているそうな。
VISAの偉い人が「日本人、クレカ使わなさすぎ!」って嘆いている話もあって、どうやら海外に比べると「クレジットカード=借金=悪」みたいな発想が蔓延っていて使用が広がらないという分析で、じゃあ借金じゃない「デビットカード」で先鞭つけたれ!ってなことなのかどうなのか。
クレジットとかデビットとかもーなにー?よーわからへんし使いたくないってか、使わんでも生活できてるやーん!
という多数派の牙城を切り崩せるか、要注目。いや、マジでスーパーとか行くと現金払い祭りですから。プリペイドカードさえ稀にしか出てこないですから。
デビット対クレジット
実は件の会計学の教科書を読むまで知らなかったのでメモメモ。
- デビット(debit)=借方
- クレジット(credit)=貸方
なるほどなぁ。そういう謂れでしたか。訳語なんや。サービスにつけられたブランド名か何かやと思っていたら、一般名詞やったんや。
モ〇ットとは違うんや。
で、カードを使う際には下記のバランスシート(貸借対照表)を思い浮かべてねと(「はじめての会計学」を読む素人の戯言、ネット上を漂うゴミの如き信用度とお考え頂ければ幸いです)。
デビットカードは借方の資産(一般には預金)を参照し、引き出せるならその場で引き出しましょうねと。
クレジットカードは貸方の資本(個人信用)を参照し、信用があれば負債(借金)に振り替えましょうねと(たぶん)。
クレジットカードは、サービス提供側としてはややこしく(コストがかか)って、なおかつ貸倒リスクがある大変なビジネスになります。ただ、市場的には小口の信用創造機能を果たしていて現代社会には不可欠な存在になってます。
「ロマンス」をクレカで買うと?
もしクレジットカードを使って商品(例えば「ロマンス」)を購入するとなると、クレジットカード会社はカード使用者の信用具合を勘案して予め設定した与信枠(ショッピング枠)という名の資本を参照する訳です。
貸方(クレジット)に想像上の信用資本を設定し、「ロマンス」という資産を増やすと同時に信用資本を負債に転換することで、「手持ちの現金」がなくたって「ロマンス」が購入できちゃう。
無担保・無保証人だけど、「信用資産」というイマジナルな資産を担保に入れたと考えられそうです。あなたの「信用資産」を商品(ここでは「ロマンス」)に転換できるわけなので、取引直後はロマンスがありあまることに。
もちろん、翌月か翌々月くらいには債務(負債、借金)を現金資産(銀行預金)で相殺しなければならないのですが。
なお、「ロマンス」が現金そのものの場合には「キャッシング」になりますし、「ロマンス」が換金性の高い商品であるならば「取り込み詐欺」の手口として使えます。
「ロマンス」をデビットカードで買うと?
一方、「ロマンス」をデビットカードで購入するとなると、借方(デビット)を参照することになります。
具体的には、銀行預金額が購入金額よりも大きければ預金口座からの即時引き落としだけで済みます。ここでは借方資産の項目が転換しただけで、貸方に影響しません(ただし「ロマンス」が消耗品だったりすると資本は減少)。
難しいことは抜きにして
簡単に言えば、以下のことが身に降りかかります。
- デビットカードで買い物 → 現在の預金残高の減少
- クレジットカードで買い物 → 未来の預金残高の減少
このことが曲者で、なおかつ信用経済の要でもあるのですが、クレジットカードでの支払いは預金残高の減少と実際のお買い物に時間差が生じることになります。
現在は持っていない、将来のお金でモノやサービスが買えてしまう。
有効に利用出来たら、これほど素晴らしい道具はありません。金融版タイムマシーンを手にしたも同然なので。
そして、どんな道具でもそうですが、使ってみないと使えるようにならないという真理がありますので、まずは使ってみることをオススメします。
もちろん将来の収入と支出が釣り合っていれば何ら問題となることはありませんが、未来のお金を当てにして「ついつい買い過ぎてしまう」という(あなたを含む)人間の癖を理解することも、現代社会を観る視点としては重要かと思われます。
ステータスカードとは言い難いですが、何よりクレカ始めの一歩としてオススメされるのは、やっぱり楽天カード。ほぼ全てのネット通販、クレカ導入店舗での支払いが可能です。
「クレジットカードを持っていないと損する」という状況は今後もしばらく続きそうです。
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