経口糖尿病治療薬(メトホルミン)が非定型抗精神病薬による体重・BMI増加を抑制する
自閉症スペクトラム(ASD)の投薬治療に非定型抗精神病薬が用いられることがあります。
ただ、非定型抗精神病薬の副作用として以下のような指摘も。
非定型抗精神病薬の一部の薬においては、体重増加による肥満、高血糖、糖尿病の発病、生活習慣病の憎悪といった副作用がおこることもありますので、服用中は全身の健康管理については十分注意する必要があります。
体重増加の副作用は、小児患者や青年患者でも認められています。
非定型抗精神病薬の問題点
Wikipediaの該当ページを見てみると、薬理学的と言うよりはむしろ“商業的”に問題となったことがあるようです。
とはいえ、現在でも自閉症スペクトラム治療に利用されているようで、先述の「体重増加」を抑制する研究がなされています。
糖尿病治療薬
引用文の記載にあるように、「高血糖、糖尿病の発病」が副作用として認められていることから、この症状を抑え込むことで「体重増加」を抑えられるのではないかと考えられます。
そこで、非定型抗精神病薬を服用する自閉症スペクトラム患者に対して、経口糖尿病治療薬メトホルミン(Metformin)の「体重増加」抑制効果(体重を増加させない作用)が検討されました。
Metformin effective for weight gain associated with atypical antipsychotic use in children
プラセボ(偽薬)投与群と比較して、メトホルミン投与群では有意に若年患者の体重増加が抑えられたようです。
副作用として胃腸障害が増加したようですが、耐容性は良好だったとのこと。
もちろん更なる研究が要請されていますが、効果が広く認められればこうした複合投与が今後増えるかもしれません。