クランベリージュース、膀胱炎には効果ないって研究結果が出ましたが
クランベリージュースにはポリフェノールが豊富に含まれ、また「キナ酸」という成分が尿の細菌が繁殖するのを防いでくれるとして膀胱炎に効くとされていました。
「クランベリージュース」とグーグル先生に問えば、「クランベリージュース 膀胱炎」と候補キーワードをサジェストしてくれるくらいには知られた効果だったようです。
紹介記事
ネット上にはそうした科学的知見?を紹介するウェブ記事がいくつもありました。
「絶大な効果」とか「特効薬」と語るあたり、眉唾物でしょうか。
クランベリー特有の成分として「A型プロアントシアニジン」を挙げ、その利尿効果と「キナ酸」の細菌増殖抑制効果で膀胱炎に効くもしくは予防できる可能性があるとしていますが、
実際にグランベリーが有効な方もいらっしゃいますが、効果が得られない方も多くいます。これまでには膀胱炎に対するクランベリーの治療効果や予防効果は認められないという否定的研究結果もあり、今後さらなる研究が期待される分野です。
と中立の立場で紹介しています。
まとめサイトではそうした知見のソースに関して結構詳細な情報が記載されています。
またクランベリーエキスを配合したサプリメントには、薬機法を意識した素敵な文句が並べられて販売されています。
手本としたい、この文章力。
あらたな知見(2016.10)
さて2016年10月中ごろ、こんな記事が英文サイトに掲載されました。
いずれも同じ以下の研究論文に基づくものです。
Effect of Cranberry Capsules on Bacteriuria Plus Pyuria Among Older Women in Nursing Homes
A Randomized Clinical Trial
http://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2576822
老人ホーム住まいの高齢女性を対象にクランベリー成分(72 mgのプロアントシアニジン)を配合したカプセル剤と、有効成分を含まないプラセボをそれぞれ継続的に投与したところ、両者で尿路感染の症候に違いが見られなかったとのこと。
この結果をもって研究者らは「膀胱炎に悩んでいるならクランベリー食品にお金を使うのではなく、抗生物質による治療を選択してくださいね」としているとも。
疑問
でも、待てよと。
単一成分を純粋に抽出して配合した成分と、果実全体を食べる生食やドライフルーツ、もしくは果汁を利用して作ったクランベリージュースやソースなど、「プロアントシアニジン」以外の成分を多数含むものについては否定されていないのでは?
「キナ酸」はどうなったのだろう?
そもそもジュースの水分も利尿には効果的かもしれないのに、どうして精製物質を使った試験をしたのだろうか?
と疑問は尽きないわけで。
もちろん「絶大な効果」とか「特効薬」とか言って宣伝すると大いに問題があるように思われるわけですが、「クランベリージュースを飲めば膀胱炎は治る?」という疑問には明確に回答することができないわけで…。
まぁ効果効能を食品に求めるのはやめにして、美味しいから食べる、という方向性なら非常に有用なクランベリーの果実ではあるのでした。
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食品の価値は「美味しい」にあり。