「スマホ、やめました。」 ~刈谷市の取り組みについて思うこと~
本日の気になったニュース(僕は刈谷市の取り組みに大いに期待しています。)
小中学校広がるスマホ制限 「長時間使用は異常」「帰宅時安全確保は」首長賛否
昔々、子供はこんなことを言われていました。
「ファミコンは1日1時間まで」
もちろんその実効力たるや散々で、1時間で止めてしまえるほどつまらないゲームは存在しませんでした。ドラクエもマリオもストⅡも、目標達成(クリアや技能上達)のためにはある程度のまとまった時間が必要で、1時間はあまりにも短すぎたのです。
「ファミコンは1日25時間まで」
とか言って深い哲学的混迷にうっちゃった方が、あるいは実効力が増したかもしれません。
ほかにも使用制限ルールは様々ありました(「宿題終わるまでゲーム禁止」、など)が、そのほぼすべては親が子に課すルールであり、その内容は各家庭でバラバラでした。
しかし、今回のニュースでは市が子を持つ親に要請しているため、各家庭でスマホの使用制限ルールが統一されています。
これには、どんな利点があるでしょうか?
(ある種の権威としての)市が要請しているのだから、親が直接言うより実効力が増すはずだ!・・・なんてことは恐らくないでしょう。
制限そのものの実効力には全く期待していません。
僕が期待するのは、「市のルールがあるから」と言う外的な理由を持ち出すことにより、LINE等のコミュニケーションをわだかまりなく終わらせることができる、と言う点にあります。
他愛のないおしゃべりでもそれを終わらせるには理由が必要ですが、どんな理由でもいいわけではなく、相手に不快感を与えない理由が必要とされます。しかし、そんな都合のいい理由はどこにでも落っこちているわけではありません。
「ごめ~ん、寝落ちった」
メール文化が出来上がって以来、何度の嘘・寝落ちが実行されたのでしょうか?4652億回くらい?そしてこの嘘が、時としてあまり喜ばしくない状況をもたらすことも我々は既に学習済みです。
ところが、この問題(の一部)は、理由を外部から与えて公開してやることで改善できてしまいます。
「9時以降は使っちゃダメってことになってるから、また明日!」
「リヴァイ、じゃねーや、ヤヴァイ、今日はもう59分47秒使っちまったからあと13秒でどこまで書けるか試してみたらいがいとかけおやすみ」
楽観的に過ぎるでしょうか?
サービス提供側の企業は、如何に長時間拘束するかに知恵を絞っています。この点に関する有力な戦略は、「一度始めたら終われない」仕組みを作ることです。「既読機能」もその一つでしょう。
それを制限しようとするなら、きちんと終わるための工夫を施さなければなりません。ウェブを介した他愛のない会話は、「始まりは有れど終わりなし」です(リアルではすぐに終わっちゃうことも多いのにね!)。
刈谷市の取り組みが何らかの良き成果をあげられますよう。