閉眼片足立ちが上手くなるたった1つのコツと1分間で効果大の科学的根拠
"Japanese top" by Juni from Kyoto, Japan - Flickr. Licensed under CC 表示 2.0 via ウィキメディア・コモンズ.
「閉眼片足立ち(へいがんかたあしだち)」というものがありまして。
“生涯健康”や“健康寿命”の概念と共に注目を集めるロコモーティブ・シンドローム(運動器症候群、ロコモ)関連の話題として、今着実に注目を集めている運動機能テストのことです
閉眼片足立ちの申し子
さて、筆者は特に自慢できることが多い訳ではありませんが、中学時代の3年間に行われた運動テスト全てで「閉眼片脚立ち:満点(180秒以上)」を達成したという超ローカルな自慢だけは持っています。
ほかの種目は全然なのにね!
そこで、皆様にそのコツをお教えしましょう。
目を閉じると思い浮かぶこと
「閉眼片脚立ち」はその名の通り、目を閉じて片足で立つ必要があります。2つの慣れないことを、同時にやる訳ですね。こりゃ大変だ。
しかし、目を開けたまま片足で立つことに困難を覚えないのならば*1、やることは簡単です。
目を閉じた時に考えること、思い浮かべるイメージを事前に用意しておきましょう。
視覚情報は全感覚の80%を占める
人間が環境から取り入れる感覚情報の80%は視覚によるものだと言われています。ただ、大抵の人はそのことに慣れきっていて意識すらしません。
そして、急に目を閉じる状況になって、視覚情報を遮断すると、途端に余り余った脳のリソースを駆使していらんことばかり考えだします。このいらんことが曲者でして、コイツのせいで身体がフラフラとしてしまうのです。
フラフラしだした身体は、さらに精神をフラフラさせ始め、ついには片足で立っていられない状態になってしまいます。こりゃいかんですね。
そこで。
目を閉じたらイメージする具体的なものを決めておきましょう。
目を閉じて、片足で立つ時に考えたいモノ
もう、おわかりですか。そうです、回っている独楽(コマ)を思い浮かべてみましょう。
回り続ける独楽を想え!
閉眼片脚立ちのコツは、たったこれだけです。
とは言えもしかするとこのご時世、もう独楽で実際に遊んだ経験のない人が多いのかもしれない。
もし実際に独楽を見たこともない方は、竹とか木とか、何だか地面に根をしっかと生やし、天に向かって伸びていくものをイメージすると良いのじゃないかと思います。
あるいは両肘
タイトルに「たった1つのコツ」とか謳いつつ、まぁ思い浮かべるもののバリエーションは大変幅広く用意できてしまうわけで、もう一つだけ。
「両ひじ」に意識を集中するのはどうかしら?
実際、綱渡り師などは長い棒を持ってバランスを整えています。それを応用して、両ひじをできるだけ広げるようにする。
その上で、肘の先の先に意識を集中することを前もって決めておけば、目を閉じた瞬間のふらつきを抑えることができるのではないかと思います。
あと、これも参考になる、かも?
閉眼片脚立ちの記録を伸ばしたいなら、好奇心を持って取り組むのが良いかもですね!
片足立ちと脳の関係
今、片足立ちが注目されているのは理由があります。脳機能と体勢維持機能の関係が明らかになりつつある為です。
認知症や、その前段階であるMCI(軽度認知障害)のチェックに片足立ちが利用されるなんて例もあります。
人間の脳は膨大な数の脳細胞が織りなすネットワーク回路で構成されていますが、脳細胞が死滅するなどしてこのネットワークの密度が低下すると、運動をつかさどる小脳の働きも低下してバランス感覚が鈍ってしまうことも。
高齢者では一度死んだ脳細胞が復活することはほとんどありませんが、この脳細胞ネットワークに関しては維持・強化できるかもしれないと考えられています。
その一つの手段が、(閉眼)片足立ち。
これを継続的に練習しようとする意欲と、実際に片足で立つという平衡感覚の維持を通じて、脳細胞は新たなネットワークを取り結びます。
ぜひ積極的に取り組んでみてください。
「一分間で○○と同じ効果!」の科学的根拠
片足立ちの話題になると、1分間実行すれば50分のウォーキングと同じだけの運動効果があるなどしきりに強調する人が出てきます。
科学的根拠はあるのかしら?
いや、そんなものはないですから。
おかしいでしょう。1分間で50分歩いたのと同じになんて、そんなうまい話はない。
巧い話があるとすれば、「1分で50分の効果」を信じてくれる美味しいお客さん(いわゆるカモ)を選別できる健康食品業者にとって「ウマい」というだけです。
そうした功利主義を捨て去り、自らを高めるアクティビティとして片足立ちを楽しんでみてください。
*1:もしこれが難しい場合、まずは目を開けたまま片足で立つ練習をしましょう!